ブラジル: マリエーレ・フランコの暗殺に関するインタヴュー

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An Interview: Released On Mar 19, 2018

ブラジルはこの1週間、リオデジャネイロの著名な黒人、フェミニストで社会主義活動家でもあるマリエーレ・フランコの政治的暗殺により動揺した。

フランコはリオデジャネイロの市議会議員に選出された評議員で、ブラジルの大都市を取り囲んでいる貧困層が密集する非公式の集落であるファヴェーラで成長した、彼女は著名なオーガナイザーであり、主に黒人住民の貧困と警察の暴力に対する批判の代弁者であった。

わたしたち(BRRN)はブラジル系の同志とともに、(訳註:インタビュアー/インタビューイー双方が)ブラジルにおける全国組織ブラジルアナキスト協調(Coordenação Anarquista Brasileira / CAB)の同盟員であるリオ・デ・ジャネイロに拠点を置く政治組織(リオアナキスト連盟 Federação Anarquista do Rio de Janeiro / FARJ)とのインタビューを行った。

このインタビューではマリエーレ・フランコの遺産、ブラジルの黒人闘争、そして彼女の暗殺の政治的背景を議論する。

-The Black Rose/Rosa Negra Social Media Team (BRRN)
ブラックローズ ソーシャルメディアチーム

 

Interview on the Assassination of Marielle Franco

マリエーレ・フランコの暗殺に関するインタビュー

 

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BRRN:
マリエーレ・フランコについて、彼女のアクティヴィズムと、彼女がどのように知られていたのか、聞かせてもらえますか?

FARJ:
マリエーレはリオ・デ・ジャネイロの女性評議員であり、労働者党(PT)から分裂して新規に結党されたPSOL(社会主義と自由党)の党員でした。

彼女は2016年にリオデジャネイロ自治体の評議員に第5位の得票数を得て選出されました。

しかし、なによりもまず、彼女は黒人レズビアン女性であり、リオ最大のファヴェーラのひとつで生まれ育ち、長期にわたる闘争と奮闘の経歴を持っていました。

彼女は、主に女性の権利(特に中絶の権利と性暴力)と黒人の闘争(警察の残虐行為と黒人の虐殺)に対する人権闘争に深く関わっていました。

最前は、リオ・デ・ジャネイロの治安に関する連邦政府の干渉を追及するために、リオ市議会議員の介入委員会の報告者に任命されていました。

彼女は最後の日、アカリというファヴェーラにおける警察の残虐行為の告発行為に積極的に参加していました、(訳註:2018年2月16日に右派大統領テメルによって布告された)軍事介入の数ヶ月前から、警察による多くの場合致命的な被害をもたらす暴力的捜査の対象にされてきた場所においてです。

彼女はリオ・デ・ジャネイロの闘士の間では、選挙戦略を信じない人物においても、その経歴や闘いの実践によって非常に尊敬されていました。

BRRN:
彼女の暗殺の政治的背景について教えてください。

私たちは、先月リオ・デ・ジャネイロに軍事政権と連邦政府が介入し、治安を乗っ取ったと理解しています。

マリエーレはファヴェーラの住人であり、軍事介入に対する声高な批判者でしたね。

FARJ:
リオ・デ・ジャネイロの、とりわけファヴェーラにおいては、軍事政権(1964年から1985年)の終了後である90年代以降も、長期にわたる軍事介入の経験があります。

しかし、これらの軍事介入は、2007年以降、ルーラ・ヂ・シウヴァによる二度目の労働者党政権とディルマ・ルセフの二回の政権の間を通じて、より一般的になりました。

2008年、住民慰撫政策ユニット(Pacification Policy Units / UPP 訳註:Pacificationは「宣撫」──占領地・植民地における──とも訳される)プロジェクトは、リオのいくつかのファヴェーラに導入され始めます。

その目的は、警察によってファヴェーラを占領し、麻薬密売の追放によって近隣に社会的改善をもたらすことでした。

しかし、目的は決して達成されず、プロジェクトの導入開始から唯一起きたことといえば、多数の人権侵害の報告、人殺し、失踪、警察による家屋侵入と占拠、麻薬密売は引き続き行われていても、件数は下降傾向にありました。

UPPプロジェクトは、明確にオリンピックやワールドカップのような将来の大きなイベント受け入れのための準備でした。

これらのイベントが行われている間、住民や旅行者に安心感を与えるために、軍事力が行使され、主に黒人で構成されるファヴェーラの住人たちは苦しめられ死に追いやられ続けていました。

連邦はこれ以外にも軍事介入を通じて、常にさまざまなファヴェーラに跨がって事業に注力しており、どこであれ長期的に干渉が行われている点においては異なりません。

軍隊はさまざまなファヴェーラを占領し、住民の個人特定可能情報を(身分証と本人の顔を並べて撮影するという方法で)収集しており、人権侵害の報告がいくつかなされています。

2018年の1月だけでも、リオでは警察の捜査によって66人が殺されています、ほとんど全員がファヴェーラにいました。

もう長い間、警察がブラジルの黒人を殺害し拘禁するのを正当化するための口実として、まるで無記名小切手のように「麻薬戦争」が用いられています。

マリエーレはいつでも都市の軍事化の敵対者として、ファヴェーラとリオ周辺において毅然と行動していました。

彼女は最近、41番署の警官たちを告発しました、ファヴェーラ・デ・アカリで運営されており、リオで最も致死的な分署です。2016年だけで、この分署の警官たちは117人を殺害しました。

マリエーレの殺害は、黒人住民の大量虐殺に対する彼女の発動そして彼女が黒人であることについてのあからさまな反応であり、いつものように、選ばれて標的にされたというわけです。

BRRN:
メディアは街頭抗議を今回の暗殺に対する抗議として報じています。

これまでの政府の回答に対し路上および社会運動ではそれぞれどのような反応がありますか。

FARJ:
これまでに2日間にわたって全国各地で巨大なデモが行われており、他のいくつかのものが既に計画されています。

マリエーレは、政治組織、社会運動体のメンバーそして運動の支援者で、以前はいくつかのNGOで働いていました。

それもあって、非常に迅速に支援のネットワークが形成され、デモが組織されましたが、なによりもまず追悼集会であり、軍事介入の終焉と事件の調査を求める抗議行動なのです。

政府は企業メディアとともに、軍事介入のもう一つの言い訳としてこの事件を使用しようとしているが、そもそも彼女の事件はそれとは関係がありません。

調査により、彼女を殺すために使用された銃弾が、連邦警察に販売されたバッチに含まれており、3年前のサンパウロにおける18人の虐殺のような警察による他の犯罪に使用されていたことがとっくに証明済みです。

BRRN:
強調されているマリエーレの政治活動の態様のひとつは、卓越突出した黒人活動家として、そしてブラジルの歴史に埋め込まれた反-黒人性として根ざしている人種差別に対する批判の姿勢です。

米国に住んでいない人にとって、黒人運動と闘争がブラジルではどのように見えるのか、簡単に話していただけますか?

また、ブラジルにおける米国の公民権およびブラックパワー運動の影響についても議論できますか?

FARJ:
ここブラジルでは、黒人運動はファヴェーラの運動と非常に関連しています。なぜなら、ファヴェーラの住民は主に黒人だからです。

ですから、たとえ彼らが完全に黒人によって編成されていなくても、ファヴェーラのグループやコレクティヴは、黒人の権利のための闘争に関連しています。

今日では、私たちは、ファヴェーラにおいてさまざまな種類の活動的なグループを見ることができます。

ほとんどのファヴェーラではNGOの存在感が強く、国際資本主義組織の資金提供を受けたプロの活動家によって形成されているため、それらの大部分の目的は非常に限定的です。

また、警察の残虐行為と黒人の大量虐殺に焦点を当ててファヴェーラにおけるコミュニティの作業をするいくつかの自律的かつ独立したグループがあります。

ブラジルの黒人運動は、奴隷制の時代のキロンボス(訳註:quilombos 逃亡奴隷が形成した集落にルーツを持つ地域共同体)以来、ファヴェーラで誰かが官憲によって殺されて以来の、長きにわたる抵抗の歴史を持っています。

米国を根拠地とする運動とその形態は、確かにここの組織のインスピレーションのひとつになっていますが、しかし、ブラジルの歴史形成的背景は米国と大変に異なっており、物事を単純に取り込むわけにはいきません。

一般的にこちらで黒人が苦しめられている問題は、そちらにもあるものとかなり似通っていますが、組織構造を異なったものにする特異点がたくさんあります。

たとえば、2016年米国では警察によって殺害された人口は913人(100万人あたり2.8人)、ブラジルでは4200人(100万人あたり20.2人)でした。

そう、ブラジルでの黒人運動は長期的な闘争を組織する根強い歴史を持っています、毎日人が死に、無実の人々が投獄され続けているので、人々はいつでも政府によって作られたものに反攻しなければならないのです。

BRRN:
現在ブラジルでは、民主主義労働者党の大統領ディルマ・ルセフを2016年に議会クーデターで追放した、新興の新自由主義的右派権力が台頭してきていますね。

また、ブラジル多くの左派にとって、最近の軍による警察への介入は、1985年まで20年以上続いた独裁政権を彷彿とさせるものであることが、わたしたちにもわかります。

FARJはつい先日も、警察における軍事介入の役割と、国家の現在の政治情勢を分析している記事を書いています(「リオデジャネイロにおける連邦政府の介入と支配階級のチェス」 )。

そこでのあなたの分析を簡単に要約していただけますか?マリエーレの暗殺とそれが引き起こした怒りが軍事力/警察力のバランスを変えるかもしれないと考えますか?

FARJ:
ここ数ヶ月間、私たちは政府や企業メディアの挙動の一致を、特にカーニバルの間、暴力について主要なニュースが一日中暴力(暴行、窃盗、一般犯罪)が増加しているという感情や物語を人々に伝える様子を目撃しました、私たちの路上に多くの住民と観光客の人出がある時にです。

この言い訳が、約1ヶ月前に始まった連邦政府の/軍事介入の実施を導き、開始当初は、(訳註:テメルが大統領在任中の)今年いっぱい続けられる予定にされました。

私たちは、介入が社会的コントロールの方法であり、いつものように主な目標は黒人であり、貧しい人々であるということに疑いを容れません。

資本主義の白人優位主義国家は、新自由主義の計画が問題なく進んでいくことを確実にするために任意のツールを使用します。

連邦政府の/軍事介入は、黒人と貧しくされている人々がこの国においてわずかに保持している権利の喪失と苦しみを犠牲にして養われる、中流階級および支配階級に対する見せかけの安全感覚を意味します。

リオデジャネイロは、他の州でも実施されているUPPプロジェクトと、最近の公共サービスの新自由主義的改革に見られるように、常に国の実験室でした。

ここでの介入は、それが全国の他の場所で使用できるかどうかの明確なテストなのです。

また、マリエーレ殺害事件は、社会運動に対する明確なメッセージであると思われます。州の準軍事的組織と明瞭なつながりがあるからです。

これは、政治的抑圧のレベルの上昇を意味します、現在のテメル政権を除外した別のなにかではありませんが、確実にそれと結びついています。

戦闘的活動家と社会運動の指導者の殺害は、ブラジルにおける統合訓練であり、大都市の外にある農民や先住民の運動においては、非常に一般的な現実です。

2017年に65人が殺害され、4人の虐殺が公認され、2016年に61人が殺されています。

マリエーレが行った作業を含む、さまざまな組織によって行われるこのデータ収集作業は、社会運動や住民が注意を喚起し、これらすべての暴力を非難するだけでなく、法的/司法支援を提供するために役立つので非常に重要です。

私たちは、マリエーレ殺害事件によって、より大規模なものが生み出されるのを期待していますが、しかしそれはまだしばらくは、なにが起こるのだろう、と言い続けることに留まるでしょう。

しかし、反人種差別主義や反資本主義のグループ、社会運動、左派政治組織は、この攻撃に対抗するために、街頭を敵対的な直接行動によって組織化し、動員して、ブラジル人社会の周縁化区域本体において資本主義と政府が行う犯罪に対し、反撃します。

 

(2018年6月発行『ぴにょそる 臨時増刊号』に掲載)

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Aula Autônomo Em Solidariedade Com Rafael Braga ラファエル・ブラーガと連帯する自律的ポルトガル語学習会

Aula Autônomo Em Solidariedade Com Rafael Braga
ラファエル・ブラーガと連帯する自律的ポルトガル語学習会

日時/2018年2月4日13時30分~17時
場所/町田市民文学館 ことばらんど 第2会議室
アクセス/http://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/cul08Literature/20130314171230465.html

無罪のラファエル・ブラーガを支援する会では、これまで情報発信やカンパ集めの形で活動を行ってきました。今後も重要となってくる国際連帯や国内在住の外国人とのつながりを視野に入れて、語学学習の取り組みを始めることになりました。アルファベットのローマ字読みができれば全くの初心者でも問題ありません。まだ手探り状態ですが、ご興味ある方は是非おいでください。

【一回目の内容】
1)簡単な自己紹介、あいさつ
2)基本単語(色、大きさなどの形容詞、国の名前など)
3)…休憩…
4)2分程度の社会風刺コメディ動画の会話やラップの歌詞を材料に基本的な文法の全体像をつかみます。余裕があれば単語や文法を調べながらラファエルに手紙を書いてみたいと思います。

 

※「授業料」は無料です。会場費実費分(一人100円以下)やラファエルへのカンパをいただけるとありがたいです。caso-rafael-braga-choca-brasil

ラジオ出演

ご無沙汰しております。

今月控訴に関する手続きで、またも不当な決定がされ、ラファエルの無罪勝ち取りの戦いは続きます。一方で、2月に再収容の決定が翻り、結核の完治までは自宅軟禁が続くこととなりました。小さな、重要な勝利です。

明日26日、15時からインターネットラジオのラファエルの件を話す機会をいただきました。ホストが英語話者のため、英語の放送となる予定ですが、よろしければお聴きください。

http://kosaten.org/radko/

RACIONAIS MCS 「ある囚人の日記」のリリック訳

 

今日の ラバンデリアイベントの内容にも関連するラップグループRacionais MCsの”diario de um etento”のリリックを訳しました。

 

内容は25年前にサンパウロのカランジル刑務所でおこった軍警察による虐殺と刑務所の生活をテーマにしたものです。

 

ある囚人の日記

 

1992年、10月1日、サンパウロ 午前8時

今日もまた一日 ここにいる

血走った目つきの監視に見下ろされてる

いつだって狙われてる 頭を垂れて歩く気持ちが分かるか

ドイツ製やイスラエル製の鉄砲にかかれば

泥棒も紙切れ同様に引き裂かれちまう

 

防壁にたち よき市民からよき軍警官になったボンクラが政府を守る

腹空かせてるくせに 気分は狼よさらばのチャールズ・ブロンソンだ

おれらの望みも見透かしてる
考えてることもまるわかりだ

雨降りの今日 天気が荒れてる
たくさんのやつが逃亡を試みた おれだってそうしたい
しかし1から100でいうと おれのチャンスは0だ

神に祈りは届いただろうか
裁判長は控訴状を承認しただろうか

若い奴にいっときたい
「ヤクをつかってるなら やめとくんだ」

あいつはまだあの女と付き合ってる
当分ヤバイことはしないだろう

ここを出る日が一日近づいた
それともここでの一日がまた過ぎていっただけか

わからねえや、毎日変わりはねえ

タバコに火をつける そうして一日が過ぎていく
暇を潰して 暇に潰されないようにする

男がいて 女がいるとして レイプ魔は人間以下だよな
いつだって誰かに殴られてる 足に口づけをしながら
出血多量で10番地区の房にたどり着き 死を待つだけさ

囚人にはそれぞれ母親がいて、信仰がある
それぞれの罪にそれぞれの罰
それぞれの動機や涙、血、人生や栄光のの物語

捨てられ、惨めさと憎しみ、苦しみと軽蔑、失望、一時の気の迷い
よく混ぜ込むんだ ほら また囚人が生まれた

廊下や雑居房や運動場でする後悔
刑務所の隅々に広がる

ただおれはシステムを理解してる 兄弟、
ここには聖人はいない

悪い野郎に気をつけて
母ちゃんを悲しませないようにしないとな

俺の正直さが俺の命を守ってる
ベージュの制服を着たこの国で

チク、タク、 まだ9時40分だ
ムショの時計はスローモーションだ

ラタタッタタ また地下鉄が通る
よき市民を乗せて
急いでるカトリック、新聞を読み、満足してる、偽善者ばかり
心に怒りを抱え、都心へ向かう
こっちを見ては興味津々 そりゃそうだ
だが違うぜ、動物園じゃないんだ
そんなに価値ある人生じゃない
おまえの携帯やパソコン程じゃない

今日はキツイな、 太陽が顔を出さない
面会もないし、サッカーもない
ここの仲間にはメンタルが弱いやちもいる
暇が耐えられない すぐに喧嘩をはじめる

マリア様のおかげで、あと一年3ヶ月と数日でここをで出られる
上の階には閉じられた房がある
火曜日から誰もあけはしない 死とピニョソル(洗剤)の匂いがするだけ
ある囚人がシーツで首を吊ろうとしたんだ
一体どいつだ?誰が知るか どうだっていいさ
生きてたってここから出られないんだ

親に見捨てられることほど
人を病気することはない

よう、坊主 言ってみな 何が欲しいんだ
ここには空きがある いつでも待ってる
どんな高級品をかったって ここじゃなんの意味もない
悪党に人生に未来はない
ここにくればおまえの顔も青ざめる
ルシファーって聞いたことあるか
地獄から道徳をもって来た奴だ
おまえの武勇伝はここじゃ通用しない
皆と同じまずい飯を食うだけだ
そこらじゅうの街から悪党が集まる
アオスコ、ジャルジンダブリル、ありとあらゆるシマから
気のいい泥棒もいる 義理堅く倫理的だ
だが政府にとっちゃ数字に過ぎない 誰も気にしない

9つの棟に7千人の囚人、一人につき300レアルかかる
この間の面会で、ダチが果物とマルボロをもってきた
出所したあいつはまた犯罪組織に戻ったようだ
赤い車にサルバドールナンバー
口汚く、素行も悪い
シャツをめくればピストルがあるから

「よう、俺を殺そうとしたあいつ覚えてるか?
一体どこにいるんだ?」

「ああ、どうしょうもないぜ、イカれたことばっかりで女の面倒もみない。
まだ処女で子供だったのに、今じゃ粉と引き換えにフェラチオだ」

「ひでえ話だ、俺が外にいたらタダじゃ置かないところだ」
「まあ地球は廻るし ここで再会ってこともあるかもしれない」

「いや、もうすぐ手続きもおわって、俺も変わるんだ、ここから出るんだ

もしバッタリ会ったら、殺すしかない」

10月2日 日が昇った
掃除も始まった いつもどおりだ

朝方寒気がしたが
風はないし、気温が下がったわけでもない
借りの返しは毎日のことだ
何かあるって 感じていた

仁義はどの囚人も大事にしてる
暴力をもって 平和を築く
舐めたことするやつがいたら
フランケンシュタインになるまでズタズタにする

大概のやつはかかわりたくなかった
5,6人の死を恐れないやつに巻き込まれたんだ

2人の泥棒が喧嘩をはじめた
その先にあることは想像もつかなかった

麻薬の売人、殺し屋、取り立て屋
こいつら殺せば勲章ものだ

システムには好都合だ

法医学研究所に知らせろ
大量の解剖が必要になる

一人の男の判断に委ねられた運命
電話じゃ「そっちに任せる」と他人事だ

ラッタタタ キャビアにシャンパン

知事はお食事に出かけたとさ 母ちゃんのことはお構いなしだ

 

人殺しの犬、催涙ガス
悪党を殺せばメダルが貰える

ブラジルじゃ人間は使い捨てだ
生理用ナプキンやタワシみたいなもんだ

刑務所か?そりゃシステムは邪魔に思ってる
昼ドラに映らないものは隠すんだ

ラッタタタ 血は水と混じって流れる
耳や口や鼻から

主よ  息子の過ちをお許し下さい
聖書にある通り 命で償いました

牧師もリポーターもいない
武器も救急車もない

血を舐める犬にもHIVが伝染るだろう
運動場に敷き詰められた死体
ヒットラーも地獄で微笑んだ!

政府のロボコップは冷たい 罪悪感はひとつもない
憎悪だけでハイエナのように笑う

ラッタタタ 知事とそのギャングが
血の海で泳ぐ

だけど誰が俺の証言を信じてくれる?
10月3日 ある囚人の日記